
毎月、2~3回ほど、助産院で働いています。
産後のケア(母乳相談、育児相談、ボディーケアなど)を行っているのですが、
おっぱいトラブルで悩んでいる方、本当に多いですね。
こちらもどうぞ→乳腺炎にアロマフットトリートメント
助産師としての、知識や技術で関わらせていただいていますが、
私は『アロマ助産師あっこ』!
アロマテラピーでは何ができるかを考えてしまいます。
なので、今回は、
『乳腺炎に対するアロマテラピー』
を考えていきたいと思います。
乳腺炎とは
よく、おっぱいのトラブルとして知っている方も多い、『乳腺炎‐にゅうせんえん‐』。
では、その『乳腺炎』とは、どんなものなのでしょうか?
乳腺炎にも種類があります
乳腺炎は、つまり
『乳腺の炎症』ということです。
何らかの原因から、おっぱいの組織である、乳腺に炎症が起きている状態のことを言います。
では、その種類をみていきましょう。
- 急性うっ滞性乳腺炎(きゅうせいうったいせいにゅうせんえん)
 産後の、比較的早いうちに起こりやすいものです。
 おっぱいの中(乳腺)につくられた母乳が、たまりすぎることで起こります。
 産後すぐは、母乳が出ていく出口(乳口‐にゅうこう‐)が少なかったり、細かったりします。
 でも、産後のホルモンは、
 『たくさん母乳をつくれーーー!』
 と体に働きかけています。
 いわば、”交通渋滞”を起こしている状態ですね。
 私たちも渋滞では、イライラとしやすいもの。
 おっぱいの中ではそのイライラが、
 ・痛み
 ・腫れ
 ・赤み
 であらわされます。
- 急性化膿性乳腺炎(きゅうせいかのうせいにゅうせんえん)
 母乳の出口からばい菌に感染することで、おっぱいの中が炎症を起こした状態です。
 1のうっ滞性乳腺炎と比べると、痛みや腫れがひどかったり、
 お母さん自体が発熱したりします。
 うっ滞性乳腺炎に続いて起こしてしまうことが多いです。
- 慢性乳腺炎(まんせいにゅうせんえん)
 上記1や2と比べると、症状としては軽いものが多いです。
 しかし、その症状がずっと続いていたり、
 症状があらわれているときと、治っている時を繰り返したりするものです。
 1や2もそうなのですが、赤ちゃんの抱き方や、おっぱいのくわえさせ方がうまくいっていなくて、
 その状態が習慣のようになってしまうと、起こりやすいです。
 実は、私自身も授乳していた時期は、この状態でした・・・・
乳腺炎の原因
ではこの乳腺炎、なぜ起こるのでしょう?
- 母乳の出ていく量と作られる量のアンバランス
 特に、産後すぐに起こりやすいものです。
 赤ちゃんの飲む量や母乳の出口の数と、作られる母乳の量のバランスがとれていれば、
 おっぱいの中に、母乳がたまりすぎることはありません。
 そのバランスが崩れるから、たまりすぎてしまうのですね。
- 母乳の出口や通り道が狭い・詰まっている
 母乳の作られる量や、赤ちゃんの飲み方が良くても、
 その通り道や出口が狭かったり詰まっていると、やはりたまりすぎてしまいます。
- 乳首に傷がある
 赤ちゃんにくわえてもらうことで、授乳になるのですが、
 その乳首自体に傷があると、痛みなどから、赤ちゃんにくわえてもらうことができません。
 すると、せっかく作られた母乳も、外に出ることができないので、たまりすぎてしまいます。
 傷ができる原因の多くが、”上手なくわえさせ方ができていない”ということ。
 やはり、赤ちゃんの抱き方やくわえさせ方は、大切です。
- 体が冷えている
 母乳は、”血液”からできています。
 おっぱい周辺の、血の巡りが良いことは、母乳の巡りの良さにもつながります。
 体が冷えていると、その血の巡りは滞りがちに・・・
 すると、母乳の巡りのアンバランスさにもつながり、炎症を起こすこともあるのです。
- 心身のストレスが強い
 気持ちや体がつらい状況でも、起こります。
 例えば、ゆっくり休めないとか、家庭内でもめ事があるとか、心配になる要素がたくさんの時ですね。
 ”自律神経のアンバランス”につながります。
 これは、上記に挙げた1~4の原因にもなるかと。
 母乳がつくられるには、体の繊細で巧妙な、ホルモンの働きが深くかかわっています。
 それは、大きなストレスで、簡単にバランスを崩してしまいがち。
 そのアンバランスが、”乳腺炎”という形であらわれたということでしょうか。
以上のような原因から、乳腺炎は起こってしまうのですね。
一般的な対処法
では、病院や産院などで行われることの多い対処法には何があるでしょう?
- 母乳育児への支援
 乳腺炎の原因の多くが、
 ”母乳がおっぱいの中にたまりすぎてしまう”
 ということ。
 そのたまりすぎた母乳を外に出す、一番の方法は、
 『授乳』になります。
 産後の入院中にも、授乳方法は指導がzると思いますが、改めて、
 ・赤ちゃんの抱き方
 ・お母さんの姿勢のとり方
 ・おっぱいの含ませ方(くわえさせ方)・・・”ラッチオン”なんていわれることも
 ・お母さんの日ごろの養生の仕方
 などを、お伝えし、心地よい授乳になるようにサポートしていきます。
- 薬を使う
 特に、急性化膿性乳腺炎と診断されれば、
 その原因になっているばい菌を、やっつけるための処方がされたり、
 発熱があれば、その対処として解熱剤が処方されたりします。
- 外科的治療
 化膿性乳腺炎の場合、おっぱいの中にしこりができてしまい、
 それがものすごく膿んでしまうことがあります。
 その膿が、母乳の出口(乳口‐にゅうこう‐)からも、出ることができなくなった時、
 しこり部分を切って(切開ーせっかいー)、炎症を抑えようとする治療になります。
- 安静を促す
 『原因』の項目でも挙げましたが、心身のお疲れがひどい時に起こりやすいものです。
 なので、赤ちゃんのお世話を、ご家族に頼んで、ゆっくり過ごすよう促されることが多いでしょう。
 おっぱいをやめてしまうのは、乳腺炎を悪化させることもあるので、授乳は今までとあまり変わらないように。
 その他の家事など、お手伝いしてもらうのが良いかと。
アロマテラピーでできること
では、アロマテラピーでは何ができるでしょう?
『心身を整える』ことが得意なのがアロマテラピーです。
上記にも何度か書いていますが、
”アンバランス”
ということが、乳腺炎のケアを考えるときに、大切になってくると思います。
- 炎症を抑える働き
- 自律神経を整える働き
- 滞りを取り除く働き
- 免疫をしっかりさせる働き
 
- ばい菌に対抗する働き
- 心身を落ち着かせる働き
これらを考えて、精油選びをしましょうか。
乳汁分泌促進(母乳がつくられることを良くする)の働きを持つ精油もありますが、
乳腺炎では、それはむしろ逆効果です。
たまりすぎているところに、さらに母乳がつくられたら・・・・
もっと、症状はつらくなってしまうでしょうね。
おすすめの精油
以上のことを考えて、授乳中の方でも使える精油を選んでみました。
- 炎症を抑える働き
 ・ラベンダー・アングスティフォリア
- 自律神経を整える働き
 ・プチグレン
- 滞りを取り除く働き
 ・ジンジャー
- 免疫をしっかりさせる働き
 ・ラヴィンツァラ
- ばい菌に対抗する働き
 ・ティートリー
- 心身を落ち着かせる働き
 ・マジョラム
項目別に精油を挙げましたが、それぞれが、乳腺炎に心地よく働きかける力を持っています。
また、『乳腺炎の予防』としても良いのではないかと思います。
選ぶときには、ここに挙げた以外にも、
『良い香りだな~~~』
と感じる香りは、ご自身が必要としている香りでもあります。
以上のことを踏まえて、選んでみてくださいね。
おすすめのクラフト
乳腺炎、またはその予防におすすめのクラフトをご紹介します。
【ほっとすっきりアロマジェル】
*ラベンダー・アングスティフォリア  3滴
*ティートリー  1滴
*マジョラム  2滴
*保湿ジェル  30g
保湿ジェルは、オイルとは違い、水分ベースになっています。
熱感を伴いやすい乳腺炎には、心地よいのではないかと思います。
また、オイルベースで作ったブレンドよりも、皮膚からの吸収が早いので、
精油の働きを感じやすいのではないかなと。
おっぱいにトラブルがあると、早く何とかしたいものですからね。
そのお気持ち、よくわかります!!
一番大切なのは・・・
いかがでしたか?
乳腺炎に限らず、おっぱいへのケアに関しては、たくさんの考え方があります。
今、行っているケアで、なにも困らず、楽しく過ごせているならば、それで良いと思います。
一番大切なのは、
『自分が納得していること』
もしも、迷っていたり、困っている時には、
自分が納得したことを言っている専門家を選んでみてください。
また、鵜呑みにせず、自分なりに考えてみること。
それは、
『心地よいセルフケア』
につながっていきますよ!
 
		
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