夏に向けてのお肌のお手入れには、”すっきり””さっぱり”のものが好まれますね。
*2018/07/02 加筆修正しました。*の部分です。
アロマテラピーで使う精油も、化粧水などにしてすっきりと使えるようにクラフトできますが、
手作りは少し大変という声も聞かれます。
また、精油を使うことで、安全な使い方はどうかと、気になる方もいらっしゃいます。
今日は、すっきりさっぱりで、より手軽に安全に使える、
『ハーブウォーター』
について書いていきます。
ハーブウォーターとは? 精油との違い
ハーブを水につけたもの?ハーブティーとは違うの?
ハーブウォーターとは何でしょう?
ハーブウォータは、精油を作るときに、一緒に得られるものです。
精油の作り方には、何種類かありますが、その中でも、
『水蒸気蒸留‐すいじょうきじょうりゅう‐』
と言われる作り方の時に、得られるものです。
精油のもとが含まれているハーブを、蒸すことで精油を作っていきます。
その時に、油分と、水分に分かれていきます。
油分が”精油”
水分が”ハーブウォーター”
になります。
同じハーブから作られたものでも、精油とハーブウォーターでは、
その成分が変わってきます。
精油には、油と仲の良い”芳香分子‐ほうこうぶんし‐”が含まれやすく、
ハーブウォーターには、水と仲の良い”芳香分子”が含まれているからです。
また、ハーブウォーターはそのほとんどが水分です。
精油のもととなる芳香分子の量は、精油ほど多くありません。
なので、精油よりも、比較的安全にたっぷりと使えるのが特徴です。
ハーブウォーターは、ほかにも、
- 芳香蒸留水‐ほうこうじょうりゅうすい‐
- ハイドロゾル
- フローラルウォーター
と呼ばれています。
ハーブウォーターの注意点
ハーブウォーターは、精油よりも安全に使えるとはいえ、やはり注意していきたいこともあります。
『芳香水』はハーブウォーターではありません
ハーブウォーターと似たような名前で、
『芳香水‐ほうこうすい‐』や『アロマウォーター』などがありますが、
これはハーブウォーターではありません。
水に、精油やハーブのエキスを混ぜたものです。
ほかにもエタノールやグリセリンなど、精油を混ぜるために使う物質が含まれていたりします。
むしろ、お肌に刺激が強いこともありますので、注意しましょう。
また、以下の項目をラベルなどで確認しましょう。
- 原材料名が書いてある
- 水蒸気蒸留で作ったか
- 検査されているか(pH、大腸菌、一般細菌、鉛・ヒ素・カドミウム・重金属・残留農薬・酸化防止剤)
- 『化粧品』として売っているか*(内容成分の全表示が義務づけられているため)
これらが確認できないものは、ハーブウォーターでなかったり、品質が安全とは言えないものになります。
100%の安全はありません
ハーブウォーターを使うには、注意していきたいものがあります。
- アレルギー
キク科の植物やヨモギなど、アレルギーが現れやすい植物があります。
その植物からもハーブウォーターは作られますが、その中に花粉や、そのほかアレルギーの原因になる物質が含まれている危険性もあります。
これらの植物にアレルギーのある人は、原料植物をしっかりと確認するなど、気を付けましょう。
また、使用する前に”パッチテスト”を行うことも大切ですね。*アレルギーに注意のハーブウォーター
エキナセアウォーター、カモマイル・ジャーマンウォーター、カモマイル・ローマンウォーター、ヨモギウォーター - お肌に刺激のあるものもあります
精油のもとである芳香分子には、お肌に刺激の強いものもあります。
精油より含まれる量は少ないとはいえ、ハーブウォーターの中にも含まれているものもあります。
特に妊婦さんや産後すぐの方、赤ちゃんや小さなお子さん、敏感肌の方は注意しましょう。*お肌刺激に注意のハーブウォーター
アルベンシスミントウォーター、クローブウォーター、スペアミントウォーター、ペパーミントウォーター、ゆずウォーター、レモングラスウォーター、レモンバーベナウォーター - 傷のあるお肌への使用は避けましょう
お肌は、体を外からの刺激から守る役割をしています。
そこが傷ついているということは、外の刺激を体の中に入れてしまいやすいということです。
自分の体以外のものは、刺激になります。
ハーブウォーターといえど、使うことは避けましょう。*傷のあるお肌に注意のハーブウォーター
タイム・ブルガリスウォーター
保管にも気を付けましょう
ハーブウォーターは、精油よりも含まれている芳香分子は少ないと書きました。
しかし、その分、抗菌成分が少ないです。
また、そのほとんどが水であることから、ばい菌の繁殖に注意しましょう。
ばい菌は、水と栄養になる物質があれば、すぐに増えていきます。
水がたっぷりのハーブウォーターは、その条件がそろいやすいです。
以下の点に注意して使ってくださいね。
- 冷暗所で保管
- 保管している容器の口は清潔にする
- 開封後は3か月以内に使い切る
どんな使い方をする?
ハーブウォーターはどのように使っていくのでしょう?
- シュシュっと直接お肌にスプレー
- 手に取って直接つける
- お化粧用コットンやガーゼに含ませてお肌にあてる
- 加湿器のお水に加える
- お風呂に加える
などの使い方ができます。
もちろん、複数のハーブウォーターをブレンドして使っていくこともできますよ。
ハーブウォーターを使ってクラフトできる?
ハーブウォーターは、アロマテラピークラフトで使用する、精製水(せいせいすい)と替えて使うことができます。
なので、
- 手作り石けん
- 化粧水
- ジェル
- キッチンスプレー
- パック
などのクラフトに使っていくことができますね。
妊婦さん、産後の方、小さいお子さんにオススメの理由
ハーブウォーターについて書いていきましたが、どんなものかイメージがわいたでしょうか?
精油を使ったアロマテラピーも大好きですが、ハーブウォーターを使ったアロマテラピーは、
助産師としても、母や女性という立場からも、おすすめします。
それは、
- 皮膚への刺激が少ない
- 体の中に成分がたまりにくい
- そのまま使用できるので手間がかからない(希釈しなくて良い*)
- 精油だと高価なものも、ハーブウォーターなら安くに手に入る
- 粘膜にも使える*
などの理由からです。
例えば、
- 赤ちゃんのおむつかぶれ
- 日焼け後のスキンケア
- 床ずれのケア
- 女性のおしも(陰部)のケア (-妊婦さんの陰部のかゆみ-もご参考に)
などにぴったりです。
すっきりさっぱりが好まれる夏場だけではなく、一年を通して、妊婦さん、産後の方、子育て中の方、赤ちゃんや小さなお子さんにも、大活躍してくれるのではないでしょうか。
妊婦さん・産後の方が精油を使うときは、こちらもご参考にどうぞ。
妊婦さんが精油を使うときの注意点
妊婦さんに禁忌・注意の精油
*参考文献:
ハーブウォーターハンドブック 新時代のアロマテラピー(NARD JAPAN)
サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(フレグランスジャーナル社、井上重治)
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