アロマテラピーが気に入った妊婦さんや産後の方は、
その心地よさを、赤ちゃんにも使っていきたくなるようです。
アロマテラピーは、赤ちゃんにとっても心地よいのでしょうか?
今日は、
『赤ちゃんへのアロマテラピー』
について書いていきます。
赤ちゃんへ精油は使える?
大人が使っていて、心地よいと感じる精油の香り。
赤ちゃん(1歳未満)に、直接使えるのでしょうか?
アロマ助産師あっことしては、
『使わない方がいい』
という答えになります。
それはなぜかというと、
『心身ともに急激に発達・成長している時期だから』です。
成長・発達に大切な神経
人間の赤ちゃんは、自分で歩いたり走ったり、
動くことのできないくらい未熟な状態で生まれてきます。
それは、まだまだ発達・成長する必要があるということ。
成長と発達は、目に見えるものだけではなく、
体の中の見えない部分でも、着々と進んでいます。
その中でも大切なものが、
『神経系の発達・成長』です。
神経系は、体を動かしていくのはもちろんのこと、
見たり聴いたり、触って感じたり、味を感じたり、
痛みや、熱い、寒いなどの、感覚もつかさどっています。
*赤ちゃんの聴覚、視覚、味覚、嗅覚、触覚は、うまく使えていないだけで、大人とほとんど変わらないとも言われています。
また、胃や腸や、いろんな内臓の動きにも関係しています。
それは、食べたり飲んだり、生きていく上での体の働きにも、関係しているということです。
この神経系の成長・発達は、
5歳までに80%が出来上がる
と言われています。
なので、この時期は、神経系に大きな影響のあるものは、なるべく使いたくはないのです。
生まれて間もない赤ちゃんは、すべてのことが初めてのことばかり。
特に注意していきたいと考えます。
私たちが、心地よいと感じる香りを持つ精油の中にも、神経系に大きく影響するものがあるのです。
気を付けていきたい”神経毒性”
精油を使うときには、いろいろな注意があります。こちらも参考に
その中でも、赤ちゃんの神経系に大きく影響するものとして、
『神経毒性』
というものに注意していきたいと考えています。
アロマテラピーでいう神経毒性は、
精油のもとの小さな小さな成分の中でも、主に、
ケトン類
というものに注意をしていきます。
この成分には、
神経そのものを溶かしてしまう
という働きがあります。
もちろん、この働きは、大人にとっては、
”良い働き”として扱われることも多いです。
しかし、赤ちゃんの、今まさに伸びて大きくなろうとしている神経を、溶かしてしまう危険があるなんて!
考えただけでも、私は怖くなります。
”良い働き”とは考えられません。
なので、アロマ助産師あっことして
精油の原液はもちろんのこと、植物油で薄めたものでも、
『お肌に直接は使わない方がよい』
となるのです。
お母さんの香りもアロマテラピー
アロマテラピーを赤ちゃんに使えないのか・・・・
と、がっかりさせてしまいましたか?
そうですね、残念だけれど、私としては、おすすめはしません。
けれど、未熟な赤ちゃんの中でも、大人よりも優れている部分があります。
その一つが『嗅覚』です。
お母さんの母乳や肌のにおいを、嗅ぎ分けることができるくらいです。
普段私たちが生活している空間。
ここはたくさんの”におい”がありますね。
心地よいものも、悪いものも・・
赤ちゃんにとっても同じことで、その周りは、”におい”で埋め尽くされています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、いつも、お母さんだったりお父さんだったり、
お世話をしてくれている人とともにいます。
そう考えると、
赤ちゃんの生活している空間=お世話をしている人の”におい”
と言っても、良いのではないでしょうか。
以前の記事で、小さな命へ~香りのプレゼント~、というものを書きました。
赤ちゃんの周りにいる人たちが、精油を使っていたら、
その香りは、赤ちゃんにとって、記憶とともに穏やかに影響しているのではないかな?
赤ちゃんにとって、お世話をしてくれる人のにおいは、
”安心”そのものです。
赤ちゃんに直接使わなくても、お世話をする人自身が、アロマテラピーで健やかに安心していたら、
それは、
『赤ちゃんへのアロマテラピー』
になると思います。
赤ちゃんへのアロマテラピーは、まず、
自分自身が心地よく健康で精油を使っていること
になるのではないでしょうか。
精油は、自然のものであるからこそ、100%安心・安全ではないです。
やはり、少しでも学んだり、アドバイスを受けながら、使っていってほしいのです。
それは、自分自身の健康だけではなく、赤ちゃんの健康にもつながっていきますよ。
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