心配や不安はあれど、喜びの妊娠!
かと思いきや、気分が悪い、胃腸の調子も悪い。
吐いたり、食べ過ぎちゃったり。
妊娠初期に出やすい、
いわゆる「つわり」に対して、
アロマ助産師として考えてみました。
つわりとは
- 気分が悪い
- 吐きたくなる
- 実際に吐いてしまう
- めまいがする
- ドキドキする
など、妊娠初期にみられる症状のことを言います。
など、妊娠初期にみられる症状のことを言います。
妊娠悪阻(にんしんおそ)
これは、つわりの症状がもっと重くなり、入院して治療が必要な段階のつわりをさしています。
ホルモンバランスだとか、自律神経の乱れだとか、いろいろ言われますが、正確な原因はわかっていません。
なので、この症状へは、
治す
というより、
症状を和らげる
という、対症療法になります。
一般的対処方法は?
- ゆっくりと休む
- 横になる(寝転ぶ)
- 食べられるものを少しずつ(数回に分ける)
- お水やお茶など、水分はしっかりとる
など、休むことを中心に、できることを無理せずに。
脱水(体に必要な水分がなくなってしまうこと)、にはならないことが、まずお家でできる一番の対処かと。
赤ちゃんへの影響は?
食べられなくなると、おなかの赤ちゃんへは、きちんと栄養がいっているか気になるところですね。
流産の原因になってしまうのではないかと、心配される方もいらっしゃいます。
この時期の赤ちゃんは、しっかりとお弁当を持っています。
小さな小さな赤ちゃんのそばには、栄養たっぷりの袋があって、
そこから栄養をもらって、あかちゃんは育っていきます。
なので、お母さんは、ご自身の体調に、気持ちを向けていてもらって大丈夫です。
この妊娠初期の流産に関しては、10人に2人くらいの割合で起こるものです。
また、原因がわからないことも多く、多くは、赤ちゃんの持って生まれた力(染色体異常など)の差によるもの。
つわりの症状とあまり結び付けずに、ゆったりとした気持ちでいてくださいね。
こんな時は病院へ!
- 水すら飲めない
- 動くことができない
- 体重が妊娠前よりもぐっと下がり続けている(-5㎏以上)
- おしっこの回数がとても少ない(3回/1日以下)
- 唇や舌ががさがさ、ざらざらしている
などの症状は、体の中に必要なお水も、なくなっている状態です。
妊娠どころか、自分の命も危なくなってしまいます。
旦那さんや親御さんなど、周りの人に助けてもらって、必ず病院受診をしてください。
より良いのは、上のような状態になる前に、
おかしいと思ったりつらいと思ったならば、
かかりつけの医師に、日ごろの状態をしっかり伝えてくださいね。
アロマテラピーでできること
妊婦さんの持つ力を助けてくれます!
妊娠は病気ではないですね。
自然なことの一つですが、体も心も、大きく変わる出来事で、つらいと感じることもあります。
つわりに関して、病院などでできることは、正直、あまりありません。
点滴にて栄養を、お母さんの体に送ることと、ゆっくりと休めるベッドを提供するくらい。
薬の多くは使うことを控えるような時期でもあります。
私たち助産師の、言葉や存在が励みになるなんて感じてもらえたら、ありがたいのだけれど。
なので、ご自身で自分の面倒を見る、いわゆる、セルフケアとして、アロマテラピーは使えるものだと思います。
けれど、妊婦さんの体を整えてくれるのは、他でもない、妊婦さんご自身です。
アロマテラピーは、そんな妊婦さんの、
整える力を助けてくれる(補助的なもの)
という考え方は、忘れないでください。
また、やはり妊娠中、特に妊娠初期(妊娠4ヶ月未満)は、
アロマテラピーに限らず、他のセルフケア(自然療法・代替療法)に関しても、
慎重に慎重に考えてくださいね。
つわりについては、上記に挙げた、
【一般的な対処法は?】
で、十分楽になることも多いです。
精油は何を選ぶ?
使える精油はあります。
- オレンジ・スイート
- レモン
- グレープフルーツ
- マンダリン
- バジル
- タラゴン
- カモマイル・ローマン
- マジョラム
など。
多くは柑橘系の香りや、スーッとしたさわやかな香りのものです。
胃腸の動きを整えるようにしてくれたり、
体の流れのバランスを整えてくれたり、
気持ちを落ち着かせてくれたり明るくさせてくれたり。
『これは良い香り~~!』
と思ったものを使うのが、一番のポイントです。
つわりの時期は、「香り」そのものに敏感になっているかと思います。
嗅いでみたい
気持ち良いな
という感覚は、大切にしてください。
また、精油の持つ作用だけで選ぶと、かえってストレスになり、あまり良い働きはしてくれません。
*ハーブティーを飲むのも、水分補給と一緒にできるので、おすすめです。
カモミールティー
ジンジャーティー
などは、気持ちもムカつきも、スッとさせてくれるかと。
使ってはいけない精油
- ペパーミント
- セージ
- クローブ
- シナモン・カッシア
- アニス
- クラリセージ
- サイプレス
- サンダルウッド
- シダー
- ネロリ
- パチュリー
- ナツメグ
- パルマローザ
- ユーカリ(ディベス、ポリブラクティア・クリプトン)
- ラベンダー(ストエカス、スピカ)
- ローズマリー(カンファー、ベルべノン)
こに挙げた精油は、妊娠中には使えません。
子宮の収縮を起こしてしまったり、
赤ちゃんの成長を妨げたり、
お母さんの状態を悪くさせてしまう危険性があるからです。
文献や研究によっては、挙げられている精油は変わります。
他にも、禁忌とされている精油はあります。
実際に、とても心地よく感じる香りで、何も危ないことはなかったとしても、
安全のためには、慎重に、避けたいものです。
気をつけること
妊婦さんが精油を使うときの注意点です。
- 原液で使わない
- 少ない量(低い濃度:1~2%)で使う
- 同じ精油を長い期間使わない
- 飲まない
- お腹へ塗ることはしない
- 火のそばで使わない
- 精油について勉強する(できれば精油の知識のある人のアドバイスを受ける)
- 少しでも違和感や変わったことがあれば、かかりつけの医師に相談する。
以上のことは、安心と安全のために、必ず守ってほしいことです。
精油のおすすめの使い方
芳香浴(ほうこうよく)がおすすめ!
お部屋に、精油の香りを漂わせる方法です。
お肌も敏感になる妊娠中。
少ない量だとしても、その刺激はどのように表れるかわかりません。
まずは、
香りを楽しむ
ということから始めましょう。
ティッシュペーパーやハンカチに、もしくは、マグカップなどにお湯を注ぎ、
そこへ精油を数滴たらして、ご自身のそばに置く方法がおすすめです。
つわりの時期は、動くこと、何かを始めることって、本当におっくうです。
この方法ならば、準備も簡単ですよ。
いかがでしたでしょうか?
いろいろなことが気になってしまう妊娠の初期ですが、
アロマテラピーを活用して、少しでも楽に楽しく、過ごしていただけたらと思います。
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