前回★、体を支える筋肉や骨格を、つながりを見て整えることが、
妊娠中に起こる、お腹のはりや、腰痛などのケアになると書きました。
そのケアに対して、アロマテラピーは、どんなことができるでしょうか?
主に、「痛み」に対して書いていきます。
痛みにも種類がありますよ
痛みがどんな原因によるものかで、種類分けがされています。
3つあります。
- ケガややけどで起こる痛み(侵害受容性疼痛-しんがいじゅようせいとうつう-)
切ったり、転んだり、ひねったりして起こるケガや、熱いものに触れて起こるやけどでの痛みです。
見た目には、血が出たり、腫れたり、熱を持っていたり。私たちも日常で見やすい痛みですね。 - 神経が傷ついて起こる痛み(神経障害性疼痛-しんけいしょうがいせいとうつう-)
これは、見た目にケガはありません。
神経というものが傷ついています。
神経は、脳から出た信号を、体の色々な部分に伝える役割をしています。
その伝える役割ができないことで、異常として痛みがあらわれます。 - 不安や怖さなどストレスで起こる痛み(心因性疼痛-しんいんせいとうつう-)
傷ついている部分は、心、になります。
見た目には、やはり、けがなどないし、検査をしても、神経なども傷ついていません。
生きているなかで、
心配したり
怖がったり
不安になったり
悲しくなったり
そんな気持ちが大きくなりすぎると、ストレスとなって、体には、痛み、としてあらわれたものです。
これら、3つの種類の痛みが、私たちには感じられます。
どの痛みの種類に精油は使える?
痛みの原因は、3つありました。
では、精油はどの原因に使えるのか?
それは、
すべての原因に使える
と、考えます。
注意して欲しいのは、「使える」ということ。
「治せる」のではないのですね。
日頃私たちが感じる痛みは、これら3つの原因が、色々と重なって、起こります。
妊婦さんの感じる痛みも、色々な原因が重なっていますね。
体を支える筋肉や骨格、靭帯などの大激変で、妊婦さんは痛みを抱えやすいです。
けれど、その痛みには、妊婦さんが感じやすい、
不安
怖さ
緊張
なども、痛みに影響しています。
精油は1本の中に、たくさんの働きを持っているので、
色々な原因が重なって痛みが起こるなら、
たくさんの働きを持った精油は、ぴったりですね。
使える精油はなに?
では、妊娠中の痛みに使える精油はなんでしょう?
- ラベンダー・アングスティフォリア
痛みを鎮める(しずめる)働きとともに、リラックスにも作用してくれます。 - マジョラム
こちらも、痛みを鎮める働きと、炎症を鎮める働きがあります。
また、心身のバランスをの整える働きも持ち、気持ちも落ち着かせてくれます。 - カモマイル・ローマン
色々な症状をおさえる働きを持ちます。
こわばりや炎症、痛みやかゆみなどを鎮めて、気持ちの不安定さを落ち着かせてくれます。 - ローレル
ローリエ、月桂樹(げっけいじゅ)とも呼ばれ、料理にも使われます。
痛みをともなう炎症を鎮める働きがあります。 - レモン
皆さんが知っている柑橘の香りです。
好きな香りだと感じる方も多いです。
痛みを鎮める働きと、炎症を鎮める働きはもちろん、血の巡りを良くしてくれます。 - カルダモン
痛み止めのお薬である、
“アスピリン”
と同じような働きがあると言われています。
筋肉を緩める働きもあります。
チャイティーのスパイスとしても知られています。 - オレンジ・スイート
こちらも好まれやすい、柑橘の香りです。
気持ちを落ち着かせてくれると共に、血の巡りも良くします。
他の精油とブレンドすることで、それぞれの精油の働きを高めてくれます。 - ジンジャー
日本ではおなじみの
“しょうが”
です。
痛みを鎮めたり、炎症を鎮めて落ち着かせる働きがあります。
他にも、心地よいと感じる香りの精油を選ぶのも、痛みを和らげるには良いと思います。
心地よさは、リラックスにつながりますからね。妊婦さんには使用できない精油もあります。
妊婦さんに注意、禁忌の精油
こちらを参考にしてくださいね。
精油の使い方は?
精油の中には、植物の力が、ぎゅぎゅっとつまっています。
その力は、分子という、とてもとても小さなものです。
その力を痛みに対して使うには2つの方法があります。
- 芳香浴(ほうこうよく)
お部屋に香りとして漂わせることで、小さな精油の力を、鼻から取り入れる方法です。
脳に直接届きます。
ディフューザーなど芳香器*を使っても良いですし、
ハンカチやティッシュペーパーに精油を垂らして、香りを嗅いでも良いと思います。
妊婦さんへの整体などの施術を受ける時に、ハンカチやティッシュペーパーの方法ならば、
ご自身の側に置いておくことで、精油の力も得ることができますね。*=精油のもとである、小さな小さな芳香分子(ほうこうぶんし)を、お部屋に広める機械 - 皮膚塗布(ひふとふ)
精油を植物油などで薄めて(希釈)、体に塗る方法です。
精油の力は、香りとして体に取り入れるときと、皮膚から取り入れるときで、働きが変わります。
痛みがあるところに塗ることで、発揮される力もあるのです。
皮膚に塗ることは、人の手が痛い部分にあてられます。
その手の温かさや、優しい刺激は、精油の力だけではなく、ご自身の持つ
“治る力”
をさらに助けてくれると思います。使うときの注意は、
妊婦さんが精油を使うときの注意点
こちらを、参考にしてくださいね。*もし可能ならば、妊婦さんのからだへの施術のときに、精油の使用をご相談されても良いと思います。
芳香浴にするか、皮膚塗布にするかは、そちらでご相談くださいね。
もしくは、施術前後に、セルフケアとして、香りを嗅いでおくというのも、ひとつの手だと考えます。
妊娠中の痛みのケアをするときの注意
妊娠中に起こる痛みは、筋肉や骨格の問題不安な気持ちのストレスでがあることが大きいです。
そのために、からだ全体を繋がりで見て、アロマテラピーや整体、ストレッチなど取り入れていくことが大切です。
また、痛みの原因には、大きな病気が隠れていることがあります。
ご自身で自分の面倒を見る、セルフケアとして取り組んでも、症状が軽くなったり良くならない場合は、
必ずかかりつけの医師や、それぞれの専門家に相談しましょう。
より詳しく、からだのつながりを考えてもらえたり、よりそのときにあった方法のアドバイスをもらえたりします。
妊娠中の痛みへアロマテラピーは、
アロマテラピーだけでどうにかしようとせず、
色々な方法と組み合わせることで、力が発揮されると思います。
やはり、その人のもつ、
治す・整える力
を、助けてくれるものです。
うまく使い分けて、安心で健やかな妊娠生活を、ぜひ送ってくださいね。
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